コンバージョンとは ~なぜコンバージョン設定が必要なのか~

Webマーケティングを語るうえではずせない「コンバージョン」という言葉。実はどういうものなのかあまり理解できていない…という方のために、今回「コンバージョン」の意味や使い方、種類、関連する用語などを解説し、“なぜWebマーケティングにおいてコンバージョンの設定が必要なのか”をお伝えできればと思います。

そもそも「コンバージョン」ってどういう意味?

まず「コンバージョン」という言葉について、言葉そのものの意味とWebマーケティングにおける意味を紹介します。

「コンバージョン」の語意

コンバージョンは英語で「conversion」と表記されます。英和辞書によると、この言葉は「転換(すること)」、「転化(すること)」、「変換(すること)」など、ある“モノ”を別の“モノ”に変えることを意味します。

Webマーケティング上の意味

では、Webマーケティングにおいて、コンバージョンは何が何に変わることを意味しているのでしょうか。それは、「コスト」が「成果」に変わることです。ここで言う「コスト」とは、メディア掲載やメールマガジンなどにかかった広告経費を指します。そして「成果」とはそもそもの目的、例えば「商品の購入」や「イベントの集客」など、広告によってもたらされるであろう成果を意味します。

その他にも、特にBtoBのビジネス多いですが、Web上だけでは「成果」が発生しない場合でも、小顧客の「電話番号」や「メールアドレス」、最近だと「LINE ID」を取得することもコンバージョンといいます。そういった意味では、コンバージョンはビジネスのパターンによって変わりますが、少なくともほとんどのパターンに共通するのは、コンバージョンによって、顧客は「顔の見えない状態」から、「顔の見える状態に変わる」と言っても良いでしょう。

なぜWebマーケティングにおいて「コンバージョン」が大切なのか?

Webマーケティングにおいてコンバージョンを定めることは、Webマーケティングを行う「理由を明確にすること」と同意義です。

例えばあなたが1隻の船の船長だとします。もしも航海に出るときに“ゴール”(=コンバージョン)を定めずに出発してしまっては、船が通るべきルートも見出すことができず、迷い船になってしまうか、大海原でポツンと佇んでしまうことになるでしょう。

つまりコンバージョンを定めるということは“ゴール”を設定する、もしくは組織で“ゴール”を共有することであり、それに向かってWebマーケティングについて正しく戦略を立ててることができ、間違いのないルートを導くことにつながるのです。

「コンバージョン」はひとつじゃない?様々なケースと複数になる例

「コンバージョン」の言葉の意味となぜ重要なのかがわかったところで、もう少し掘り下げてみましょう。先ほどから、「コンバージョン」とは“ゴール”であるとお伝えしています。この“ゴール”は、企業や人によってさまざまに異なるでしょう。ここでは、様々なケースのコンバージョンについて紹介します。

様々なケースのコンバージョン

①「商品の購入」
例えば食品や雑貨、化粧品、家具など、様々な販売サイトにおいて売りたい商品を購入してもらうことは最もわかりやすいコンバージョンとなります。

②「問い合わせ・資料請求」
直接的なサービスや商品のやりとりはなくとも、お客様にその物自体を意識していただくことも重要なコンバージョンのひとつです。

③「イベントの参加」
企業セミナーほか、ホテルのパーティーやワイン試飲会など、様々なイベントの集客を目指すこともコンバージョンとなります。

このように、一口にコンバージョンといっても様々なケースがあげられますし、上にあげた以外でもコンバージョンとなりうるものはあるでしょう。

コンバージョンはひとつとは限らない

ではここで、ひとつ例を挙げたいと思います。これはある学習塾にて夏期講習のキャンペーン告知を行う際のWebマーケティングのコンバージョンまでの流れです(下記図参照)。

※この図は、まだ未入塾の方が夏期講習を経て入塾するまでのイメージです。

上の図では、どれがコンバージョンとなると思いますか?「入塾」がコンバージョンと思われたかもしれませんが、実はその手前にある「問い合わせ」や「資料請求」、「説明のための来塾・面談」、「夏期講習受講」もすべてコンバージョンです。この場合、「入塾」という最終的な成果を「コンバージョン」、その間にある成果を「マイクロコンバージョン」と言います。つまり、Webマーケティングにおいてコンバージョンとはひとつとは限らないということです。段階的に複数のコンバージョンをもうける場合、それぞれのコンバージョンに対してデータを分析することで、よりマーケティングの戦略を深めることができます。

コンバージョンとAISAS(アイサス)

コンバージョンを考えるときに「AISAS(アイサス)」を意識することは、とても有効です。

「AISAS(アイサス)」とは、インターネットが普及した現代における消費者の購買行動プロセスを説明する代表モデルであり、Attention(認知)・Interest(興味)・Search(検索)・Action(行動)・Share(情報共有)の頭文字をとっています。

ECサイトを例にとってみると、テレビコマーシャルやプレスリリースなどで消費者の注目(Attention)を集め、ネット広告により消費者の興味(Interest)をひいたり、検索サイトや公式サイトでの検索(Search)を促し、実際に商品を購入(Action)してもらったあと、さらなる顧客につながるSNS上での情報共有(Share)へとつなげさせています。

コンバージョンにの捉え方はいろいろな種類がある

前項では様々なケースのコンバージョンを紹介しましたが、ここでは、特に広告の分野でよく利用される、コンバージョンの様々な捉え方をご紹介します。

直接コンバージョン/間接コンバージョン

  • 直接コンバージョン:出稿された広告経由でWebサイトに来訪したユーザーが、一度も離脱することなくコンバージョンに至ること
  • 間接コンバージョン:広告経由でWebサイトに来訪したユーザーが、一旦サイトから離脱して再度来訪した際にコンバージョンに至ること

直接コンバージョンになるユーザーは、サイトにある商品やサービスに対して高レベルの興味や欲求があり、コンバージョンに至る可能性が高いです。間接コンバージョンとなるユーザーは、直接コンバージョンのユーザーと異なり興味や欲求が潜在的であり、何かのきっかけ(対象の価値をより深く理解するなど)があることで、興味や欲求が顕在化しコンバージョンに至ります。どちらのユーザーにも同じ戦略を用いてコンバージョンに導くよりも、それぞれのユーザーに適した戦略をとることで効果最大化を図ることができます。

クリックスルー・コンバージョン/ビュースルーコンバージョン

  • クリックスルー・コンバージョン:広告を実際に「クリック」したユーザーが、サイトに遷移してコンバージョンに至ること
  • ビュースルー・コンバージョン:広告を一度見たものの、そのままクリックせず改めてサイトに来訪してコンバージョンに至ること

クリックスルー・コンバージョンは広告からの直接的な効果を図る指標とされます。一方でビュースルー・コンバージョンは、直接的ではなく広告を何度も見たことによって頭に記憶された情報をもとにコンバージョンが発生することから、広告の間接効果を数値化した指標とされています。

総コンバージョン/ユニークコンバージョン

  • 総コンバージョン:1人のユーザーがコンバージョン計測期間内に複数回コンバージョンに至った場合、その回数のこと
  • ユニークコンバージョン:ユーザー単位でカウントするコンバージョンのこと

 例えば上図のように、同じサイトで2種類の商品をそれぞれ購入したとすれば、総コンバージョン数は2となりますが、コンバージョン行為を行っているのは1人のユーザーのためユニークコンバージョンは1となります。これらの指標は、コンバージョンの回数を計測したいか、ユーザー数を計測したいかで異なります。

「コンバージョン」に関連する様々な用語

コンバージョンについてを考えるときに、しばしば一緒に出てくる関連用語についてもおさえておくといいでしょう。代表的なものは下記の用語です。

  • 訪問数:ユーザーがサイトを訪れた回数のこと。同じ意味でやアクセス数、ビジット数もあります
  • ユニークユーザー(UU):サイトに訪れた人(ユーザー)のこと。AさんとBさんがサイトに訪れたならば、ユニークユーザー数は2となります。よく「UU」と略されることが多いです。
  • ページビュー(PV):サイトのページが表示された回数の合計のこと。Aさんが1回の訪問で5ページ閲覧したならば、ページビュー数は5となります。よく「PV」と略されることが多いです。
  • コンバージョン数:コンバージョンに至った回数のこと。よく「CV」と略されることが多いです。
  • コンバージョン率:広告などからサイトを訪問したユーザーがコンバージョンに至った割合のこと。コンバージョンレート(CVR)と表記されることもあります
  • CPC(Cost Per Click):クリック報酬型広告と呼ばれるもので、有料ネット広告を1回クリックするごとに発生する広告掲載料金のこと。クリック単価とも言います
  • CPA(Cost Per Acquisition):コンバージョンに至るまでに1人当たりかかった料金のこと。広告費20万円でコンバージョン数2,000人ならばCPAは100円となります

上記のなかでも、「コンバージョン率」について、もう少し細かくご紹介します。コンバージョン率は以下のような計算式で算出することができます。

つまり、「サイトを訪れた全体の訪問者のうち、何パーセントの訪問者がコンバージョンに至ったか」を表すのがコンバージョン率です。例えば学習塾の例で考えましょう。夏期講習キャンペーンサイトに1,000人の訪問者がいて、そのうち200名が最終的に入塾に至った場合、コンバージョン率は20%となります。

「コンバージョン」はどうやって測定すればいいか?

コンバージョンを計測するには、様々な手段がありますが、サイト内の分析であれば「Googleアナリティクス」を、Web広告であれば「各広告メディアの管理画面」をまずは利用することをNERDではおすすしています。基本的には無料で使えます。

Googleアナリティクスを使った測定

Googleが提供するアクセス解析ツールであり、基本は無料で利用することができます。これを利用すると、サイトの訪問数など訪問状況や、どこから来訪しているかなどの流入経路、使われたデバイスの種類、利用者の行動パターンなどのデータを計測することができます。

広告媒体の管理画面

GoogleやYahooなどインターネット系の広告事業者が提供しているツール。広告アカウントを紐づけて、広告費の予算管理や配信数の確認など進捗状況を管理する機能や、一定期間内の数値をレポート化する機能などが利用できます

Spread Sheetにまとめる

複数の広告媒体を取り扱う場合や、サイトの規模が大きくなると、Google アナリティクスや広告媒体の管理画面だけでは管理が大変になっていきます。NERDではそのようなお客様向け対してはGoogle Spread Sheetを活用してレポートデータをまとめるお手伝いやレポーティングも行っております。

こうしたツールを利用することで定量的にコンバージョンを計測できるようになります。

「コンバージョン」を増やすには?

「コンバージョンが増える」ということは、誤解を恐れずいえば、「売上があがる」こと。もちろんこれまで見てきたように、企業にとって、コンバージョンは問い合わせであったり、資料請求であったり、商品購入であったり…直接的・間接的などさまざまなケースがありますが、コンバージョンが増えることはそのまま企業の利益が増えることにつながります。

コンバージョンの増加が、どうやって売上増加につながるか理解する

コンバージョンを増やす上でまず理解したいのが、コンバージョンを増やすことで、売上増加にどうつながるか。

売上は単純に考えると「客数」と「単価」に分解できます。客数は「新規購入者数」と「リピート数(購入頻度)」に分解でき、単価は「購入数」と「商品単価」に分解できます。

このような売上の構造のなかで、「コンバージョンを増やす」とは「新規の購入者数を増やす」ことです。

売上を上げるために、購入頻度をあげたり、購入個数を工夫したり、商品単価を改善することはもちろん施策としては考えられますが、「コンバージョンを増やす」と言う点における議論からは考慮対象外です。

それでは新規購入者数を増やすためには、どんな施策が実施可能か、実際にNERDのクライアント様の事例と共に説明していきます。今回は「楽天モールの売上を伸ばしたい」ことを前提とした説明となります。クライアント様の名前や実際のサイトは開示できないのですが、それでもわかりやすい例なので、お付き合いください。

1. マーケティングフローを整理して現状を明確にする

クライアント様のコンバージョンを増やしていく上で、NERDまず必ず行うことが、現状の整理です。NERDでは「マーケティングフローの整理」と呼んでいます。マーケティングフローの整理は様々な方法があるのですが、今回は特にシンプルなやり方をご紹介しています。

このクライアントさんでは、サイト来訪数等のデータをご共有いただくことも難しい状況でしたので、Webの集客状況を全て口頭のヒアリングにてさせていただきました。ヒアリングを通して現状を整理しました。

  • 集客はほとんど広告に頼っている。逆に言えば、その他の流入経路は活用できていない
  • ECサイトのトップページには毎月約10,000人来訪。
  • ECサイトの商品購入者数は毎月約100名。つまり、コンバージョン率は約1%

あくまでもヒアリングベースなので、正確な値ではないのですが、これだけざっくりと現状整理できるだけでも十分です。

2.「数」と「率」の改善のどちらを優先するか決める

現状が整理されたら、次は施策の方向性を決めることをします。NERDでは「コンバージョン数を増やす」ことにおいては2つの軸がよくあるとクライアント様には説明させていただいてます。

「数の改善」とは?

「数の改善」とは、一言で言えば集客数の強化です。ここではお金を払って人を集める「広告」だけでなく、お金を払わない手段で人を集める方法も「集客」と読んでいます。

今回のクライアント様の場合、楽天のモール内広告(楽天RPP)が主な集客手段でしたので、自然検索を活用したり、新規の集客販路として、広告(リスティング・SNS広告)や、InstagramのようなSNSを活用した集客が手段として考えられます。

新しい集客販路を追加することで、購入率が一定値を維持できれば、サイト来訪者数を増やすことで購入者数、つまりコンバージョン、が増えると言う考えです。

この例ですと、元々、毎月約10,000人来訪しているので、月間来訪者数を30,000人にまで増やすことができれば、購入率が1%のままなら、購入者数は100人から200人増え、300人になります。

「率の改善」とは?

「率の改善」とは、一言で言えば、サイト内施策の実施です。導線改善やサイト内ポップアップバナーの活用等が代表的な施策です。

この例ですと、サイト来訪者全体の1%が購入に至っていたので、仮に購入率を3%にすることができれば、毎月の来訪者数は約10,000人と変わらなくても、購入者数が200人増え、300人になります。

3.施策の実施する

優先順位を決めたら、あとは施策を実行していきます。今回のクライアント様の例では、「率の改善」を優先して行うことになりました。楽天モール内のサイト改善なので、自由度は低いですが、できることはあります。

まず行ったのが、同一カテゴリで人気のある競合商品との比較です。

比べてみると、クライアント様と人気商品では、商品の内容は類似していても、競合サイトの方が丁寧に商品のついて説明していることがわかり、「商品の良さ」や「選ばれる理由」を説明するコンテンツの追加を行いました。結果として、 CVRは元々1%から2%まで改善までに至りました。

これをきっかけにさらに改善を行うため、顧客アンケートの実施、商品コンセプトの再定義、購入者向けキャンペーンの実施等、追加施策をご一緒させていただき、最終的にCVRは3%まで改善するにまで至りました。

まとめ

この記事では「コンバージョン」の考え方、定義、そして、実際にコンバージョンを増やすための考え方や事例をほんの一部ですが紹介させていただきました。

また事例に関しては、「率の改善」のみの紹介となりましたが、「数の改善」もNERDの得意分野ですので、別の機会で改めて紹介していければと思います。

NERDは、常に、なるべく「お金と時間をかけず」に「結果の出る」アウトプットをする事にこだわり、これまで蓄積した「成功するノウハウ」をフルに活かし、枠組みに囚われず「本来どうすべきか」を考え抜く事で、関わる全てのプロジェクトを成功に導く、課題解決会社です。

今回の記事を読み、さらに詳しい話を聞きたい、相談したいことがあるという方は、まとまっていなくても大丈夫ですので、お気軽にご連絡ください!

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